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note

歌詞と思ったこと、日常のあれこれ。

​フィクションだったり、ノンフィクションだったり。

寝起きと朝とコーヒー

朝が好きだ。
とくに冬の朝が。

 

布団から覗く肩が寒い。
肩とマットレスの間に布団を挟んで、ミノムシみたいに包まる。

そこから手だけを出して、寝起きの頭でスマホを操作する。
気になる
動画を見つけて再生。

画面から溢れ出た情報が、記憶の表層を掠めてはどこかへ消えていく。

眠れる街は喧騒を忘れ

時がただ静かに流れていく。

暗かった窓が少しずつ白け始める。
時間がきた。布団から出る。

お湯を沸かしている間に歯を磨き、豆を挽く。
マグカップに牛乳を少し入れ、電子レンジへ。
フィルターをセットしてお湯だけ通し、挽いた豆を入れる。

お湯を注ぐ。

コーヒーが香る。

この香りをずっと嗅いでいたい。
そう毎日思う。

朝食はシリアル。そしてコーヒー。
窓の光を頼りに食べる。

そうだ、洗濯をしなければ。

でももう少しだけゆっくりしよう。
このコーヒーを飲み終えるまでは。

富士山湖畔の街並み

お風呂の温度が2度上がった。少しずつ色褪せていく街に吹く風は、秋を押しのけ、冬を運んでくる。近所のスーパーではハロウィンの看板が残ったままで、ジャックオーランタン笑みが少し寂しそうだった。

イルミネーションロック

なんてことは無い月だった。

七割ほどを失った細々とした格好で、

茜色と藍色が混じる空に独り、白く輝く月だった。

スーパーのビニール袋が、かじかんだ指に突き刺さる。
一人暮らしも2年目になれば慣れたもので、

献立を考えながらの買い物も、もはや習慣になっていた。


前方から親子連れが向かってくる。

やっと幼稚園に通い始めたような小さな子が、

母親と手を繋いでいた。

会話が聞こえる距離になる。

「おっきーーい!!」

「なにが大きいの?」

「月がー!」

小さな子の、大きな声が辺りに響いた。

ああ、私が普通だと感じた月に、君は特別を感じるのか。
君のような無邪気さは、もう私の中にはないのだろうか。
そう思った。

親子の声が遠くなる。
ビニール袋を持つ手に力が入る。
この痛みを忘れないように、私は一人空を見上げた。

月が私を静かに照らしていた。

星

金星

遠くで金星が瞬く
世界の片隅で僕は
あの輝きに手を伸ばす
僕を見失いそうで


あの頃の光 あの頃の気持ち
あの頃の誓い 全ての過ち
きっと儚い
あの日を忘れてしまいたくて


きっかけはなんだった? 諦めればよかった?
壊れかけのランドセル 銀河系の奥底で
引力に抱かれて自分を知った 堕ちた僕は戻らない
星は変わらず日々を綴る 淡い軌道を独り残して
僕はもう気づいてる 


あれは金星のはずだった
 


拾った明日への輝き
それは手に余る代物
気付けば檻に入れられて
妥協と消極を知る


あの場所の景色 あの場所の香り
あの場所の記憶 全ての色彩
水で溶かして
理想を付け足して絵を紡ぐ


この先に何がある? 理由だけを求めてる
塗り重ねた未来像 引き出しの奥底で
五日目の朝旅立ちはまだ遠い 落ちた雫 青い朝
夢の輪郭は解けてく また日常が配られていく
僕はもう忘れている

あれは金星のはずだった


必要のない言葉で傷つけたり
意思のない言葉で傷ついたり
すべて僕らには同じに見えた

きっかけはなんだった? 諦めればよかった?
壊れかけのランドセル 銀河系の奥底で
引力に抱かれて自分を知った 堕ちた僕は戻らない
星は変わらず日々を綴る 淡い軌道を独り残して
僕はもう気づいてる 

あれは金星のはずだった


遠くで金星が瞬く
世界の片隅で僕は
あの輝きに手を伸ばす
僕を見失いたくて

ガラスの幾何学的形状

自分賛歌

意志のない言葉と思考 

当たり前になったこの頃

諦めはこびりついたまま 

失せることなんてなくてさ

 

できない自分に少し慣れてくる

嫉妬や妬み が薄くなってきて

期待しないことの偉大さを知る

 

望んだ景色を見ることはなかった

たった一度の失敗 

けど大きな後悔

 

絶対的な強さは たぶんどこにもないけど

自分史上1番は きっとどこかにあるはず

刻み続けた後悔に 今終止符を打つとき

自分讃歌をこの身に宿せたら

無責任な頑張れの言葉

固執する必要はないさ

でも大切な人の頑張れは

ずっとこの先も大切にしたい

 

消えたものを数えて歳をとる

許容の範囲が裾を伸ばしてく

妥協の数がまた一つ増えてく

何もないかもな手の平の中には

いっそこのままなんて

願ったら負けだ

絶対的な強さは たぶんどこにもないけど

自分史上1番は きっとこの胸の中だ

重ね続けた失敗を 今踏み台にするとき

自分讃歌で生き続けられたら

好きなことを好きと言えること

その言葉受け入れてくれる場所

好きなことを好きと言えること

その言葉受け入れてくれる場所

好きなことを好きと言えること

その言葉受け入れてくれる場所

大事な場所と大切な人を

大事と言って大切にしたい

素直な心まっすぐな気持ち

忘れずに言葉伝えられたなら

 

でも、でも、でも

 

たぶんきっと恐らくは 綺麗事の部類だろう

けどそれを言えるこの場所を 僕は大切にするよ

刻み続けた後悔に

重ね続けた失敗に

隠し続けた本心に もう嘘などは付けない

自分賛歌を口ずさみながら

nen

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